お笑い考察

東京と大阪(関西)の笑いの違いを、実データに基づいて考察してみた。(後編)

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前回に引き続き、「東京と大阪(関西)の笑いの違い」を実データに基づいて考察していきます。


 

3 (逆に)賞レースで結果を出していないのに、東京で売れた関西芸人

先ほど、関西芸人が東京で売れるための必要条件を「賞レースで2位以内」と書いたが、果たして本当にそんな狭き門しかないのか。

ということで今度は逆に、全国区の3大賞レース(漫才・ピン芸・コント)で上位2組に入らなかったにも関わらず、東京で売れた関西芸人を探してみた(ただし、当該の3大賞レースが開催されていない時期に東京進出した芸人を除く)。

すると、いないわけではないが数はかなり少なかった。1組ずつ見ていこう。
 
 

3.1 陣内智則

2004年頃から「エンタの神様」に頻繁に出演するようになり、その後他の東京の番組にも多く出演するようになった。
パネラーだけでなく司会もこなせる能力の高さが持ち味だ。

賞レースでの決勝進出はR-1ぐらんぷり2004のただ1回のみ(この回は優勝以外の順位発表がなかったため、2~8位のいずれかの順位に該当した)。
 
 

3.2 レイザーラモン

2005年にHGの「フォーー!」が流行語大賞トップテンに選ばれるなど、一発屋気味にブレイク。
しかし、その後もRGのあるあるがウケ、地味ではあるが着実に東京に浸透していった。

一方、賞レースでの最高成績は、THE MANZAI 2013 8位・R-1ぐらんぷり2014 2位(RGのみ)。
2014年はもはやRGのキャラが浸透した後であるため、これがきっかけで東京でブレイクしたとは言えないだろう。
 
 

3.3 天津

木村の「エロ詩吟」のみでブレイク。
「ただの一発屋」という評価もあり得る気がするが、2018年現在でも未だに使えるワード「吟じます」「あると思います」が残っているので、ここでは東京で売れたという扱いにする。

賞レースでは、一度も決勝に進出していない。
 
 

3.4 友近

ご存じの通り、”ヨゴレ役”ではない器用な女芸人として、東京でもひっぱりだこになっている。

ただし賞レースでは優勝・準優勝がなく、最高位はR-1ぐらんぷり2005の4位タイ。
それでもR-1ぐらんぷりでは歴代最多の決勝進出回数(6回)を保持しており、ピン芸の実力が抜きん出ていることは間違いない。
 

上記4組を総括すると、司会ができるか(陣内)、キャラクターが唯一無二であるか(レイザーラモン・天津・友近)という2択に分かれるように思える。
賞レースでの実績以外に東京進出の道があるとすれば、今の所この2パターンしかないようだ。
 
 
 

4 結論

上述の分析から、以下の傾向があると言えるように思う。

大阪(関西)の笑い:「ネタ > 人(キャラ)」

関西ではネタが認められた場合、それだけで受け入れられる可能性が高い。

(TVにおける芸人の枠が多いことも影響していると思うが)全国区の賞レースで決勝に進出したり、関西の各種賞レースで上位に食い込めば、かなり仕事につながる。
実際に、千鳥・かまいたちは全国で2位以上になる以前から、各種賞レースでの上位進出をきっかけとて関西でブレイクしていた。

一方で、キャラクターだけではあまり評価されない。
レイザーラモン・天津などは、関西でそれほど売れていたわけではなかったが、東京でキャラクターが受け入れられブレイクに繋がった。
 

東京の笑い:「ネタ < 人(キャラ)」

全国区の3大賞レースに進出するだけではダメ。売れるにはその中で1・2位をとらなければならない。
言い換えると、年間最大6枠しか売れるチャンスがないため、ネタだけで売れるには相当なレベルが必要だということだ。

ただ、唯一無二のキャラクターを作れば、ごぼう抜きでのブレイクはあり得る。
しかし、それでも2-3年に1組程度しか売れないので、もちろん簡単ではない。
 

以上が考察となります。
いずれにせよ、関西芸人が東京でも売れるということは、そもそもかなり難しいようですね…。
お読みいただき、ありがとうございました。
 
 

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