「挑戦するピアニスト 独学の流儀」(金子一朗/著)の感想 

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「挑戦するピアニスト 独学の流儀」(金子一朗/著, 2009年)を読みました。
その感想を書いてみたいと思います。

<本の概要>
著者の金子さんは、中学・高校の数学教師として働きながら、ピティナ・ピアノコンペティション(全国的なピアノコンクール)のソロ部門特級にてグランプリに輝いた方です。

金子さんは音大を卒業されているわけではなく、また独学でピアノを弾いていた時期もある方なので、コンクールの上位入賞者の中では異色の存在と言っても過言ではありません。

この本では、そんな金子さんが「ピアノを弾くにあたり考えていること」が詳細に綴られています。
 

<感想>
私は、この本を読むことにより3つメリットがあると感じました。

①ピアノが上手くなる
②忙しくてもピアノを諦める必要がなくなる
③ノンフィクションの読み物として面白い

順に解説していきます。

 
①ピアノが上手くなる

これは、多くのピアノ愛好家に対してあてはまるのではないかと思います。

この本に記されている知識は、曲の仕上げ方/上手く弾けない時の克服方法/効果的な練習方法 など多岐にわたりますが、これらは音大に通わなかった金子さんが自身で勉強や試行錯誤を経て得たものであり、非常に実践に即していると考えます。

そのため、それらの知識をふまえて練習することで、ピアニストとして成長できる可能性が高まります。
 

例えば私自身も、この本の中で提案されている「暗譜」を和声分析とともに実践することで、演奏中のミスがかなり減りました。

ミスが減った理由は主に3つあり、以下の通りです。

・暗譜ができているため楽譜を見る必要がなく、打鍵に集中できる。

・和声という論理的な根拠をもとに暗譜している(指の形だけの暗譜ではない)ため、ド忘れや記憶違いによるミスが減る。

・和声をもとに記憶しているため、仮に楽譜と異なる場所の鍵盤を押すことがあっても非和声音を弾くことが少なく、音が濁らない(例: ソドミのところを誤ってドミソと弾くことはあっても、ソシミと弾くことは少ない)。

この他にも、演奏に活かせる知識が沢山記されています。

そのため、この本を一度も読んだことがないピアノ愛好家にとっては、何らかの気づきと成長が期待できると思います。
 

 
②忙しくてもピアノを諦めなくて良くなる

先程も書きましたが、著者の金子さんはフルタイムの仕事をしながら、全国屈指のピアニストとしてのレベルも保っている方です。

そのため、忙しい毎日でも能力を高められる工夫が記されています。

具体的な方法は本を読んでいただければと存じますが、目から鱗だったのは「ピアノがなくてもできる練習がある」という点です。

例えば通勤電車内での練習方法などにも言及されているので、「仕事が忙しくてピアノを弾く時間がとれない!」という方でも、「工夫次第で仕事とピアノの両立は可能となる」と考えられるようになるかもしれません。
 
 
③ノンフィクションの読み物として面白い

これに関しては、ピアノを弾かない方にも当てはまると思います。

この本では、上述したような「演奏に関する知識や工夫」以外に金子さんの自伝に該当する章があり、それがとても面白いのです。

その章では、金子さんの小学生時代から始まり、ピティナ・ピアノコンペティションのグランプリに至るまでの経緯や、グランプリ後の生活(演奏会の増加など)が詳細に記されています。

当初プロには遠く及ばないと思っていたという金子さんが、あれよあれよという間に評価を得ていく様子は、ある意味現実離れした作品を見ているようで、読んでいて楽しかったです。
 

以上が感想となります。
一読の価値は必ずある読み物だと考えますので、是非皆さんも手にとって頂ければと思います。

 

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