お笑い考察

なぜキングオブコントやR-1は、M-1と比べて盛り上がらないのか

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1 3大賞レースの視聴率

私はお笑いの3大賞レース(M-1,R-1,キングオブコント)がどれも大好きで、毎年欠かさず見るようにしています。

そんな3大賞レースの2020年度の視聴率は、以下の通りだったようです(いずれも関東地区)。

キングオブコント2020: 11.1%
M-1グランプリ2020:  19.8%
R-1グランプリ2021:  6.6%

上記の通り、M-1が他の2つの賞レースを圧倒しているような状況です。
いずれも土日の夜7時頃からの放送ということで、曜日・時間帯による差は大きくなかったと思われますが、なぜここまで差がついてしまうのでしょうか?

その理由を私なり考えてみました。
 
 
 

2 KOC/R-1がM-1と比べて盛り上がらない理由

2.1 毎大会スターが誕生するとは限らない

M-1では、活躍した芸人がほぼ必ず翌年のテレビに引っ張りだこになります。そのスター誕生の瞬間をほぼ確実に見られることが、視聴者がM-1を見る大きなモチベーションになっていると思われます。
一方 KOCやR-1では、たとえ優勝しても売れっ子になれるとは限りません。それはなぜでしょうか。

大きな理由として考えられるのは、漫才という芸の特徴です。
漫才はコントなどと比べて、その人自身の素の人間性を出しながら演じることが求められる芸です。そのため、1本ネタをやっただけで演者のキャラクターが浸透しやすく、業界側も起用方法を検討しやすいと考えられます。

逆にコントは、素の人間性を極力抑えて、演じる人物になりきらねばなりません。
またピン芸は芸風によっては人間性を出しやすいですが、もう1人(ボケorツッコミ)がいないとどうしても大きな笑いに繋がりにくく、業界側としてもセットで呼べる漫才師の方が使いやすいと思われます。
 
 



2.2 漫才と比べて、客が頭を使わねばならない。

漫才はサンパチマイク一本のみで行う芸であるため、必然的に複雑すぎる設定は避けられる傾向にあります。要するに、お客さんが頭の中で想像できる範囲でネタを進行せねばならないということです。

一方コントやピン芸は、小道具を使えるぶん世界も広がりますが、逆にお客さんが頭を使ってついていかねばならない複雑な設定にすることもできると言えます。そのような設定のネタでは、序盤は笑いがあまり起こらないまま、設定を理解させるために時間が費やされることが多々あります。

この時間はいわば、映画の最初10〜15分くらいと似ていて、これが(必要なプロセスとはえ)退屈だと感じる人も多いでしょうし、ましてやKOCやR-1ではこれが連続して何回も行われる可能性があります。これは映画を1日に何本も見るようなもので、正直かなり疲れます。
また、たまたまその日の演者の出来が良くなくてあまり笑えなかった場合、設定の理解に労力を費やした分、より残念に思えてしまうでしょう。
これにより、KOC・R-1はM-1と比べて「面白くなかった」と感じられやすい状況になっているように思いますし、そう思った視聴者は翌年から離れていきます。

まとめると、見る上で少しだけ頭を使わねばならないという点から、M-1に比べお笑いファン以外がとっつきにくくなっていると考えます。
 

2.3 スポーツのような感動要素が薄い

これは本来お笑い賞レースに無くても良さそうな要素ですが、M-1の大成功と比較する場合、どうしてもこの点に言及せざるを得ません。

M-1は以下2点の制度により、お笑いバラエティにも関わらず、さながらスポーツのような感動も生み出しています。

・芸歴制限(2020年現在は結成15年以内)
・敗者復活(準決勝敗退組から1組だけ復活できる制度)

具体的には、ラストイヤーで全身全霊をかけて挑戦する組が注目されたり(時にはラストイヤーで悲願の初出場を果たしたり)、敗者復活組をめぐるに悲喜こもごも・復活組の決勝での大逆転などがそれにあたります。

KOC・R-1(2020年大会まで)は上記2点の両方は備えていないので、それが大会自体の盛り上がりの差にも繋がっているように思います。

P.S. R-1は2021年大会から芸歴10年以内という制限が入り、両方の制度を兼ね備えるようになりました。そのため今後は感動が多少加わっていくと考えられます。ただ、M-1と比べると「15年間売れなかったけどコンビで励ましあいながら続けてきた」といった、「コンビ愛」の要素が無いので、その点は依然として不利かなという気がします。
 
 

以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。

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