※参考までに、プロの審査員の得点も記載しています。
1stステージ前半(やさしいズ、マヂカルラブリー、ハナコ、さらば青春の光、だーりんず)
①やさしいズ「深夜のオフィス」 88点
(審査員: 設楽85 日村87 三村81 大竹84 松本82 合計419)
まず、社会的地位が違う「インテリ正社員」と「バイト清掃員」の差異をうまくついた設定が、とても新しかった。
このネタは、芸人にとって作るのが難しいのではないかと思う。
というのも、両方のバックグラウンドを持つコンビが、なかなかいないからだ。
いわゆる「インテリ」側は高学歴に分類されると思うが、そもそも芸人に高学歴が多くないし、また高学歴芸人は高学歴同士でコンビを組むことが多い。
※余談だが、だからこそ「エリートヤンキー」(昔吉本にいたコンビ)というコンビ名が成立するのである。
このやさしいズがどういう経歴なのかは、調べてもイマイチわからなかったが、いずれにしても両者の特徴をうまく把握してネタに昇華していた。
ただその代償として、このネタで笑える人間が限られ(インテリ側·バイト側の双方の世界をある程度知らなければならない)、世間一般にウケるネタにならなかったのは残念だった。
さらに、中盤以降間延びした感じがあったことと、清掃員役のタイの話す内容が一部聞き取りづらかったのは減点対象だった。
基準の85点にトップハンデ+3点をいれての88点とする。
②マヂカルラブリー「コンビニ」 92点
(審査員: 設楽90 日村90 三村85 大竹90 松本88 合計443)
面白い。めちゃくちゃ好きだった。
最初、同じシーンが繰り返されたところで「どうオチをつけるんだ?」とかなりハードルが上がったが、「そういうとこじゃなくない?」という破壊力のあるツッコミで一気に引き込まれた。
また最後の方で、「おじさんに殴られてループをもう1回やり直そうとしたものの、やり直せない」というくだりも、完璧に裏切られた。
上述の通りハマったはハマったのだが、2番目なのでまだ点数をそれほど高くつけられないという葛藤があり、92点にした。
③ハナコ「犬」 86点
(審査員: 設楽93 日村94 三村90 大竹94 松本93 合計464)
「誰」を連呼するくだりは爆笑したが、ネタ全体としてはそこまでハマらなかった。
その理由は大きく2つあり、1つは「犬語を日本語に訳した形で披露する」という見せ方自体はそれほど新しくなかったこと。
もう1つは、犬を飼っていない私のような視聴者は、「犬あるある」に共感できないかもということだ。
実質このネタは、「犬あるある」ワンパターン(シャレではない)だったので、そこで置いていかれると厳しかった。
あとは細かい部分だが、オチが予想の範囲内だったのも残念だった。
④さらば青春の光「学習塾」 90点
(審査員: 設楽92 日村91 三村92 大竹94 松本94 合計463)
安定感抜群。
紹介VTRで東京03が語っていたとおり、「淡々とただ面白いものを作る」凄さを否応なく感じさせられた。
というのも、さらば以前の3組とは違って「初見のインパクト」が使えないにも関わらず、トータルではかなりの笑いをとっていたからだ。
狙った箇所全てで、着実に90点の笑いがとれるのは本当に見事。
もちろんこれに爆発が加われば最終3組は固かっただろうが、その点を指摘するのはもはや野暮か(6回ファイナルに出ている時点で、ある意味キングと言えるのだから…)。
⑤だーりんず「居酒屋」 93点
(審査員: 設楽88 日村85 三村92 大竹92 松本80 合計437)
笑いが止まらなかった。
個々のボケを着実に当てていたので、私の中では振り子のようにどんどん笑いが増幅していったのだと思う。
特に「かっこつけ払い」「パニックペイ」といった独自の用語は、とても良いアクセントとなり、笑いの増幅に大きく貢献していた。
また、基本的に居酒屋のレジだけを舞台にして、あそこまで面白く展開できることには驚きも感じた。
前回の童貞のネタもかなり面白かったが、今回はそれを越えてくるネタだったと思う。
ちなみに前回の感想でも書いた通り、前回は「ツッコミ(松本りんす)の関西弁がネイティブでは無い」のが気になったのだが、今回はそれが気にならないくらいネタに引きこまれた。
ちなみに私としてはここまでで最高点だが、公式結果はそこまで芳しくなかった。
ただ、さまぁ~ずの2人が高くつけていたので、その点で「だーりんずが報われて良かった」と思った。
しかし、今年の「上位3組しか最終決戦に進めないシステム」は厳しすぎる…。
2本目を見たい芸人が全然見れない(泣)
■続き(1stステージ後半)
キングオブコント2018 感想&個人的採点②(チョコレートプラネット、GAG、わらふぢなるお、ロビンフット、ザ・ギース)
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