※これまでの記事
M-1グランプリ2007 感想&個人的採点① (笑い飯、POISON GIRL BAND、ザブングル)
M-1グランプリ2007 感想&個人的採点② (千鳥、トータルテンボス、キングコング)
※補足はこちら(本ブログ内の、お笑い賞レース感想&個人的採点全般についての補足)
ファーストラウンド 7~9組目
(ハリセンボン、ダイアン、サンドウィッチマン)
⑦ハリセンボン「お天気お姉さん」 87点
(審査員: カウス86 大竹85 巨人86 石井84 上沼93 松本88 紳助86)
まず思ったのは、春菜のツッコミの間が素晴らしいということ。
2004年のデビューからわずか3年であるにも関わらず、この大舞台で十分間をとってツッコめていたのは、流石の度胸である。
特にこのコンビは、「~じゃねーよ!!」をはじめとする独特なワードでのツッコミが持ち味なので、その魅力が余す所なく伝わっていたように思う。
もちろん、その特徴的なツッコミに繋げるボケもかなり練られていて、こちらも良かった。
コンビとして、若くして世に出てくるだけの実力者であることは疑いようがなかった。
ただ最後の最後で、「ブス同士で互いのモテなさを罵り合う」というパートに入ってしまい、(私が男だからか)急に面白くなくなった。
その点は勿体なかった。
⑧ダイアン「スカウト」 82点
(審査員: カウス84 大竹82 巨人81 石井86 上沼89 松本85 紳助86)
漫才コント導入の動機と、コント中の挙動に矛盾があるように思え、その点が気になりすぎて内容に集中できなかった。
「スカウトされて芸能界に入ることに憧れがあるので、スカウトされて良い気分になってみたい」と津田が言ってコントが始まるくせに、スカウト役の西澤が「ジャニーズ系ですか?」と言った際、津田が「そんなん言われたことない」とツッコむのが理解できなかった。
男が芸能関係者からスカウトされるにあたり、「見た目がカッコいい」こと以外で声をかけられることがあるのだろうか。
そう考えると津田のツッコミが理不尽でしかないように思え、その後の内容に集中できなかった。
またその後、スポーツ関連のスカウトの設定に移行する際にも、津田が唐突に「声かけられたら断るから。」と言ってコントに入ったのも「?」であった。
「断れるくらい人気者になってみたい」ということだと解釈したが、「スカウトされる」という “良い気分” を味わうために演技(コント)をやろうとしたはずなのに、断りたいようなレベルまで行くと「もはや津田自身は楽しめないのでは」と考えてしまい、矛盾を感じてしまった。
もちろんネタ上では、これらは漫才コントに入るまでの “つなぎの言葉” に決まっているのだが、それがあまりにも不自然だと、客がコントの世界に入っていけないのだ。
なぜ彼らは、コント以外の部分をそこまで雑にしてネタを作ってしまったのだろう。
ボケを作ることに比べれば、つなぎの部分なんて全然時間をかけずにできそうなものなのに。
その点がすごく残念だった。
最下位の点数をつけようかと思ったが、ここまでで最下位のザブングルと比べると「笑える部分がほぼなかった」という点で共通かと思い、ザブングルと同点の82点とした。
⑨サンドウィッチマン「街頭アンケート」 89点
(審査員: カウス92 大竹84 巨人92 石井95 上沼95 松本95 紳助98)
全体的に、掛け合いやボケの質が高かったのは間違いない。
ただ私は、途中の「焼きたてのメロンパン売り切れんだろ。」について、どう笑っていいのか(なぜ笑えるのか)がわからず、そこが気になってしまった。
後で調べたところ、単に「伊達の強面(こわもて)と、”メロンパン” の可愛さとの、アンバランス具合」を笑えば良かったようなのだが、「メロンパンって焼かないんだっけ?」とか「”焼き立てのメロンパン” っていうのが今流行ってるんだっけ?」とか的外れなことを考えてしまった。
また、「ぴんから兄弟」など知っている人が少なそうなボケが入っていた点も、笑える人が限定されてしまう気がして評価が下がった(私としてもその部分は笑えなかった)。
ただ上位3組に残る出来であったことは間違いなく、笑い飯以上キングコング未満だと感じたので89点にした。
■続き(最終決戦)
M-1グランプリ2007 感想&個人的採点④(最終決戦: トータルテンボス、キングコング、サンドウィッチマン)
■その他の賞レースの感想
お笑い賞レース 感想&個人的採点まとめ