ファーストラウンド 1~5組目
(ニューヨーク、かまいたち、和牛、すゑひろがりず、からし蓮根)
①ニューヨーク「作曲」 88点
終始安定していた。
トップバッターでこれほどきっちり笑いをとっていたのは凄い。
最大の要因は、ボケの嶋佐が非常に落ち着いていたためだと思う。
もちろんプロなので難なくできるのだと思うが、歌ネタで変にテンポが上がることなく、屋敷のツッコミもきっちり待って展開できていた。
また、運も味方につけていて、トップ出番で呼ばれたのも大変良かった。
もしかすると、全組の中で一番トップに向いていたかもしれない(比較的オーソドックスなネタをやるコンビなので)。
ただ難点として、フレーズの間にツッコミが入るので、曲が自然に流れていなかった点とボケが少なめだった点が気になった。
しかし逆に言うとそのくらいしか気にならなかった。
あと余談だが、お礼の長さに好感が持てた(嶋佐のヤンキー風貌に引かれないための工夫かもしれないが)。
基準点85点+トップハンデ3点の88点とする。
②かまいたち「UFJ」 83点
論点がたった1つだけで、それ以上の展開が無かったのがややきつかった。
もちろん、それだけで4分のネタを作る凄さはあるのだと思うが、見ていてのワクワク感でいうとやはりニューヨークに分があった。
また、途中で濱家が持ち場を離れて大きく動くくだりに、過剰な演技を感じて冷めてしまったのもあった。
あくまで、漫才は自然な会話の延長という認識なので、その中でやってほしかった。
③和牛「物件紹介」 84点
「住む住まないだけで、ここまで完成度の高いネタを作るとは…」という驚嘆はあったのだが、和牛という高い期待値からすると、もっとバラエティに富む展開を見たかった気持ちが強い。
ただ最後に、あり得ない展開で川西がノッてくるところには、当然爆笑させられた。
④すゑひろがりず「合コン」 83点
「誰そ!」のツッコミが、掴みだけでなくピークになってしまったのが残念だった。
また、見た目で最初かなりハードルが上がったわりに、ボケ自体は普通(昔の言葉使ってるだけ)だったのは少し期待外れに感じた。
端的に言うと、もっとぶっ壊してほしかった。
ただ、とにかく発想と勇気(≒小道具ありでM-1で勝負するという覚悟)には、大拍手を送りたい。
⑤からし蓮根「自動車教習」 86点
最初は「オーソドックスすぎて大丈夫か?」と思ったが、最後の轢いたくだりで一気に持ってかれた。
やはり最後のボケは、めちゃくちゃ大事だなと再認識した(他には、2005年大会の麒麟の野球ネタなどが良い例)。
また、ツッコミの特徴も武器として素晴らしかった。
あんな可愛い顔してドぎつい方言を使いこなすギャップには、男ながら魅力を感じたし、今後その観点でもファンは増えるだろう。
■続き
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