みなさん、こんにちは。
今回は「暗譜ノススメ」と題して、ピアノを弾く上で暗譜がいかに良いか(≒上達に結びつくか)を書いてみたいと思います。
(実は私は、今年から取り組む曲を全て暗譜で弾くようにしているため、既に8曲ほど新規で暗譜しています。
大変と言えば大変なのですが、本記事で書いた以下メリットを感じているので、今後も暗譜を続けていくと思われます。)
1. かっこいい
暗譜すべき理由その1は、至ってシンプルです。
楽譜を見ながら弾くより、暗譜で弾いた方がかっこいい!それだけです(笑)。
加えて、「頭が良さそう」な印象も与えられるかもしれません。
2. 音楽的な理解が進む
これは、暗譜がもたらす大きな恩恵です。
暗譜しようとすると、細かい部分まで完璧に覚える必要が出てくるため、曲中の微妙な変化に敏感になります。
たとえば、ある曲中でほとんど同じように繰り返される2つのパートがあるとします。
これらのパートは、「非常によく似ているが、1回目と2回目で一部の音のみ高さ・長さの指定が微妙に異なる」とします。
実はこのような箇所は多くの曲で頻繁に出てきますが、それは作曲者が意図的に変化をつけた箇所であるため、音楽的に重要な意味を持つ(音楽的な考察対象になり得る)と言えます。
このような細かな違いは、暗譜を行おうとすると気付きやすいですが、暗譜せずに毎回楽譜を見て弾いていると、なかなか意識できません。
つまり、暗譜は音楽を探求する上でも、役に立つのです。
3. パフォーマンスが向上する
暗譜をすると、演奏のパフォーマンスが向上します。
これは、もう少し細分化してみると、以下4つの理由によるものと考えられます。
(1) 音楽的な理解が進むため、それを表現に活かせる
(2) 音楽的な理解が進むため、ミスが起こりにくい
(3) 鍵盤に集中でき、ミスが起こりにくい
(4) 楽譜を見る時間を短縮できるため、テンポを上げやすい
(1)については、「2. 音楽的な理解が進む」で書いた通り「作曲者が意図的に作った微妙な違い」等を意識しやすくなり、そのような重要ポイントに対してもそれにふさわしい演奏を心がけられるためです。
(2)は臨時記号(#, ♭)において、特に顕著です。
臨時記号は一度打たれれば、同じ小節内ではずっと有効ですが、次の小節から無効になります。
つまり楽譜上、同じ小節内の2つ目の音に対しては、#, ♭が無くともそれがついた高さで演奏しなければなりません。
また次の小節では、♮が無くとも元の高さに戻しての演奏が必要です。
「楽譜を見ながら弾いたが、これらの音を間違えた」という人は少なくないと思います。
こんな時、間違いやすい音の隣に臨時記号を書いてしまうというのもアリですが、暗譜を通じて音楽的な理解を進めておくことで、間違えるリスクは激減できます。
というのも、暗譜の際に例えば、「この小節の間はト長調に転調しているから、ファがでてきたら#がつく」というように覚えてしまえるからです。
つまり、暗譜で音楽的な理解を進めておくと、ミスタッチも減らせると言えます。
(3)はそのままですが、「楽譜を見る→鍵盤を見る→弾く」というプロセスから「楽譜を見る」を完全に省くことができます。
これにより鍵盤に集中しやすくなるため、その観点からもミスタッチが減ります。
(4)も、わかりやすいかと思います。
(3)と同様に「楽譜を見る→鍵盤を見る→弾く」から「楽譜を見る」分の時間が短縮できるため、その分テンポの上限が上がり、演奏の幅が広げられます。
以上の(1)~(4)が起こるために、暗譜はパフォーマンス向上にも繋がるのです。
本記事の内容は以上です。
是非みなさんも暗譜に取り組んでみてください。
お読みいただき、ありがとうございました。
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