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R-1ぐらんぷり2017 感想&個人的採点① (レイザーラモンRG、横澤夏子、三浦マイルド、サンシャイン池崎)
※補足はこちら(本ブログ内の、お笑い賞レース感想&個人的採点全般についての補足)
Bブロック (ゆりやんレトリィバァ、石出奈々子、ルシファー吉岡、紺野ぶるま)
このネタすごく良いなぁ。
正直、個人的には今までに見たゆりやんのネタの中で1番なんじゃないかと思った。
まず出だしで、あれだけの静寂の中、一言もしゃべらず20秒以上待つっていうのはすごく勇気がいる。
しかも、あの落ち着いたBGM(ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女)により真面目な空気になっているから、一言目は相当ハードルが上がる。
並の神経では耐えられない。
そしてあの世界観。神聖すぎる空気をあえて作り、よくそれを超えるボケを生み出したと思う。
ただ、惜しいと思ったのが、最初の単語を羅列するくだりでの「私」と言うタイミングである。
実は前年(2016年)末のオールザッツ漫才(関西ローカルのお笑い特番)では、もっと単語を並べて時間をかけた後に「私」を投下することで、爆笑をとっていた。
後半のボケの間はもっとつめれただろうから、前半をゆったりもって「私」と言った方が、爆発したんじゃないかと思う。
②石出奈々子「ジブリのヒロインが大阪に行ったら」 92点
これは、高得点の説明は不要かと思う。
よくアニメをパロディできているし、前半(ほんわかした雰囲気)と後半(阪神優勝 → 掛布)のギャップが本当に良いところをついてきており、文句のつけようが無かった。
書くことがないので、石出奈々子に関する個人的な思い出を記す(笑)。
実は私は、R-1ぐらんぷり2016の東京2回戦のうち1日を観覧しており、その時にたまたま石出奈々子のネタを見ている。
その時も彼女はジブリネタをやっていたが、単純な構成のパロディコント(確か「ジブリのヒロインっぽい女の子がコンビニの店員をやったら」だったと思う)であり、今回ほど展開の妙は無かった。
ただ、それでも圧倒的にウケていた。
(そのときのメモには、バカウケしていた2人の芸人のうちの1人として記録されていた。ちなみにもう1人は「まとばゆう」。彼女も無名ながら、毒の効いたネタで突出していた)。
その時点で既に、「気合入れた時の肘まくり」などのジブリっぽい挙動のボケは、笑いがとれるものとして完成されていたのだ。
そのため、それに加えてネタとしての構成力が備わった彼女は、ブレイクしない方がおかしかったと言える。
そのような背景から、「小さい頃は神様がいて、不思議に夢を叶えてくれた」というネタ冒頭のBGMが、シンデレラストーリーを掴んだ彼女自身のことを表しているような気がして、私は少し感動してしまった。
③ルシファー吉岡「歴史の授業」 93点
これ、演技力すさまじくない?
1人コントでこんなに引き込まれることってあるのか。
ボケの頻度は少なかったが、1個1個確実にはめていた。
そして「こんなんじゃ信長んとこ耐えらんないよ」の大爆発。これは1本目の全ネタの中で一番面白い瞬間だった。
絶対2本目のネタが見たいと思った。
先ほど、石出奈々子に対して「文句のつけようが無い」と書いたが、撤回だ(早速w)。
彼女は見ていて「大丈夫かな? 緊張でミスらないかな?」という不安が多少あった。
ルシファーはそれが一切ない。
それを気づかせてくれた時点で、石出奈々子より上の点数をつけるべきだと判断。暫定トップとする。
④紺野ぶるま「占い」 87点
間違いなく面白かったが、他の芸人のレベルが高すぎて、この大会で少し低めの点数になってしまった。
(終わってから審査員のヒロミが、「このブロックはレベルが高い」と言ってたけど、本当にその通りだと思う)
「お前、人の金でゴルフしてるだろ」とか秀逸だ。
気になった点は、スチュワーデスに対して「背中が汚えだろ」って言ったのが、ボケとして成立してるんだろうか、ということ。
これ「彼氏いない」っていう前提がないと、うまくオチてないんじゃないかと感じてしまった。
まあ、こういうネタは女性がどう評価するかがカギだと思うので、この審査員の男性比率だと賞レース的には評価されにくいと言える。
とりあえず地上波でこのネタができたので、女性視聴者に評価されるといいな、と思う。
ということで私としては、Bブロックはルシファー吉岡が最も良かったです。
ちなみにプロの審査員の評価は以下の通りです(1人3票制、視聴者投票もあり)。
1位 石出奈々子 10票(関根2 清水2 ヒロミ2 板尾2 視聴者2)
2位 ゆりやんレトリィバァ 6票(文枝1 ヒロミ1 板尾1 視聴者3)
3位 ルシファー吉岡 5票(文枝2 関根1 清水1 視聴者1)
4位 紺野ぶるま 0票
■続き
R-1ぐらんぷり2017 感想&個人的採点③ (ブルゾンちえみ、マツモトクラブ、アキラ100%、おいでやす小田)
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