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R-1ぐらんぷり2019 感想&個人的採点① (チョコレートプラネット 松尾、クロスバー直撃 前野悠介、こがけん、セルライトスパ 大須賀)
※参考までに、記事末尾にプロの審査員の評価(公式結果)も記載しています。
Bブロック (おいでやす小田、霜降り明星 粗品、ルシファー吉岡、マツモトクラブ)
面白いのもさることながら、人の「快感」にダイレクトに訴えるという斬新さが、評価に値したと思った。
情報化社会の発達により、いわゆる「勝ち組」と言われる人の生活が、庶民にも何となくわかるようになってきた。
それに伴う嫉妬の感情が、普段は意識されないものの、皆の中にあったのだろう(若いモデルの妻が羨ましい、etc…)。
その「庶民→勝ち組」の嫉妬の矢印を一気に反転させるようなネタで、庶民側の視聴者としては爽快で大変面白かった。
ただ実際には、金持ちはこんな嫉妬はしていないだろうが(笑)。
②霜降り明星 粗品「夢」 94点
畳み掛けが超一流で、最後の印象が物凄く良かった。
ネタとしての新しさでは、おいでやす小田に軍配が上がったが、それを逆転できるほど面白さが抜群だった。
必要最低限の言葉数で短くフり、ボケの数も質も圧倒的だったのが最大の勝因だろう。
特に、「テレビで見るより声大きいですね」→「お前ん家のテレビの音量によるやろ」のくだりなんて、「テレビで見るより格好いいですね」等の自然さに引っ張られるから、観客はほとんどすぐ気づけないだろう。
そんなネタをチョイスできるセンスは、本当に凄い。
③ルシファー吉岡「男子校」 89点
演技は上手いし、テレビでなく営業でかけたら相当ウケるネタなのだろう。
しかしR-1の決勝という舞台においては、「女子慣れしていない男子」という異常性だけではテーマとしてかなり弱く、単純にネタの選択ミスと思われた。
ただ、「女子高校生が言う『おはよう』は、みんなの言葉で言うと『おはよう』だ。」には爆笑した。
④マツモトクラブ「TSUTAYAに行く途中」 92点
このタイプの音響ネタは、マツモトクラブのお家芸で安定して面白いのだが、「面白い」だけならこんなに高い点数はつけなかった。
ハートフルな要素によって、笑いだけでなく感動という点からも、このネタを「見る価値のある作品」にしていたのが素晴らしかったのだ。
それは吉本新喜劇のような、ただのコメディの域を超えた人情劇であり、「本当に見てよかった」という気持ちにさせてくれた。
ということで私としては、Bブロックは粗品が最も良かったです。
ちなみにプロの審査員の評価(公式結果)は以下の通りでした(1人3票制)。
1位 粗品 6票(友近2 渡辺2 文枝1 陣内1)
2位 おいでやす小田 6票(文枝2 関根2 久本2)
3位 マツモトクラブ 4票(陣内2 関根1 久本1)
4位 ルシファー吉岡 2票(友近1 渡辺1)
※1位と2位は、票を入れた審査員の人数により決定
■続き
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